2016年7月3日日曜日

【アート ペッパー】アートペッパー ウィズ ウォーン マーシュ

ウミネコプラズマンのサックスナビ第三弾は

「アートペッパー・ウィズ ・ウォーンマーシュ」を紹介します。


アートペッパーは言わずと知れたアメリカ西海岸、ウェストコーストのアルトサックスの名手です。
「アートペッパー・ミーツ・ザ・リズムセクション」が有名ですね、端正に組み立てていく、「ユビソ」に感動された方も多いと思います。

そのアートペッパーが、同じくウェストコーストのテナーサックスの名手、ウォーンマーシュとタッグを組んで録音しました。
2管編成なので、少し音数が多いです。アルトとテナーではありますが、音色が良く似ているので、慣れるまではどちらがどちらか聴き分けるのに時間がかかるかも知れません。



このアルバム、ステレオ録音なのですが、サックス2本が左チャンネル、ピアノとベースが右チャンネル、ドラムスが中央という割り振りでマスタリングされています。
個人的にはサックス2本は左右に割り振ってくれた方が好みです。
同じ編成での名盤に、キャノンボールアダレイとジョンコルトレーンの「キャノンボールアダレイ クインテット イン シカゴ」があります。
こちらは二人がスッパリ左右に別れていて、それぞれの存在をしっかり感じられるので、マスタリングの妙と言えると思います。演奏のレベルも高く、私の大好きなアルバムです。なので詳しくはまたいつか書きたいと思います。

アートペッパー ウィズ ウォーンマーシュの話に戻りましょう。
パーソネルは
アート・ペッパー(アルトサックス)
ウォーン・マーシュ(テナーサックス)
ロニー・ポール(ピアノ)
ベン・タッカー(ベース)
ゲイリー・フローマー(ドラムス)

曲目は
  1. アイ・キャント・ビリーブ・ザット・ユア・イン・ラブ・ウィズ・ミー(恋のため息)
  2. アイ・キャント・ビリーブ・ザット・ユア・イン・ラブ・ウィズ・ミー(別テイク)
  3. オール・ザ・シングス・ユー・アー
  4. オール・ザ・シングス・ユー・アー(別テイク)
  5. ホワッツ・ニュー
  6. アヴァロン
  7. ティックル・トゥ
  8. ウォーニン
  9. ウォーニン(別テイク)
  10. サヴォイでストンプ

別テイク(オルタネイト テイク)が入っていますので、同じ曲で、アドリブがどう変わるのか、とかテーマの歌い方は変えるのかな?とかマニアックな楽しみ方が出来ると思います。また個人的な意見になってしまいますが、別テイクは別テイクで、アルバムの後ろにくっつけておいて頂いた方がスキです。アルバムを通して聞くと同じ曲が何回もかかるので、誤操作してしまったかとびっくりします。

プレイヤーとしての聴きどころは、「オール・ザ・シングス・ユー・アー」です。

ジャムセッション入門編で必ず通るジャズ研部員ならおなじみの曲です。1曲目の「恋のため息」もそうですが、テーマをしっかり頭の中でうたいながら聴かないと、ご丁寧には演奏してくれず、終始アドリブまみれなので、がんばってついていきましょう。
サックス二人が会話している様に曲が進行します。
「あ、サックスが1本になった!」と思ったらそこからがアドリブパートです。
それぞれ1コーラスづつアドリブを回していますが、アート・ペッパーとウォーン・マーシュのアドリブ構成の作り方が違うが面白いですね。

リスナーとしての聴きどころは「アヴァロン」です。


ここまで陰の薄かったウォーン・マーシュが活躍します。
4分弱とアルバムの中でもっとも短い曲ですが、その分濃い内容になっています。
後半のドラムとの絡み、後テーマからエンディングにかけてが濃いです、楽しいです。

そして特筆すべきは、「ホワッツ・ニュー」です。
名曲として名高い「ホワッツ・ニュー」です。アート・ペッパーのワンホーン(管楽器が1人とリズムセクション)での演奏です。
バラードはサックス2本でやるの、難しいんですよね。
細かいこと言わずにこれはもう聴かねばなりません。名演!!

これぞウェストコーストジャズ「ティックル・トゥー」、リラックスしたいい音が聴ける「ストンピング・アット・ザ・サヴォイ」など他もよい演奏が収録されており、全体的に爽やかで楽しいアルバムに仕上がっております。

たまにはこういうジャズもいいですね。

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