2016年7月9日土曜日

【ソニー・スティット】シッツ イン ウィズ ザ オスカーピーターソン トリオ

ウミネコプラズマンのサックスナビ、第五弾は

 ソニー・スティットの『シッツ イン ウィズ ザ オスカーピーターソン トリオ』です!!


いつもより!が1個多いです 。
そのくらいアツいアルバムです。

一応ソニースティットのリーダーアルバムです。たぶん。
これを聴いていると 、スティットもカッコイイのですが、それ以上にオスカーピーターソンのピアノがカッコ良すぎて、あれ、ピーターソンのリーダー作にスティットがゲスト参加してるんだっけ、と思ってしまうほどです。ピーターソンの演奏もたっぷり聞けますので、

一粒で二度美味しい、たいへんお買い得なアルバムとなっております。




サックスナビですので、もちろんスティット中心にお話ししたいと思いますが、きっとピーターソン方面に話が行きます。先に宣言しておきます。すいません。

パーソネル
ソニー・スティット(アルト、テナーサックス)
オスカーピーターソン(ピアノ)
レイ・ブラウン(ベース)
エド・シグペン(ドラムス)

1曲目「アイ・キャント・ギブ・ユー・エニシング・バット・ラブ」
私はあなたに何もあげられないけど、愛があるわ。

なんてステキなタイトル。

ベースイントロから始まるミディアムファーストのリラックスしたアレンジです。
スティットのアルトも、このタイトルに負けじとステキにノリまくってます。
スティットはフレージングも素晴らしいですが、ミディアムテンポの曲でのノリが秀逸です。前のめりに突っ込んだり、レイバック(あえてリズムに遅れて演奏すること)したり、自由自在です。このテンポなら、こんなノリやあんなノリで演奏できます、という模範演奏とも言えるでしょう。

2曲目「ア・プリヴァーヴ」
この曲の前置詞が、「ア」なのか「アウ」なのか「オウ」なのか、宮城と東京のハーフである私にはよくわかりませんが、チャーリーパーカーも得意としたパップチューンです。
さらっと聴くと、なかなかポップなメロディですが、聴けば聴くほどややこしいリズムであることに気づきます。そしてさらに良く聴いてみると非常にシンプルな構成で、実は12小節のブルース形式であることに気づきます。
スティットはテーマからブレイク、アドリブ、終始ゴキゲンです。
オスカーピーターソンがバックであおっていますので、仕方ありません。
まずはスティットのアドリブを追いかけて楽しんで、お次はピーターソンのあおり具合を中心に聴いて頂くと非常に楽しいです。ピーターソンも息継ぎも出来ないほど濃縮された
アドリブを堪能出来ます。

あー、ずっと聴いていたい。


3曲目「ザ・ジプシー」
しっとりしたバラードです。

ここでは難しいことは考えずに、とにかくスティットのアルトサックスの音色に聴き入って下さい。


4曲目「アイル・リメンバー・エイプリル」
5曲目「スクラップル・フロム・ジ・アップル
パーカーよりずっとわかりやすく、ビバップの模範演奏として参考にすべき演奏が続きます。 6曲目「モーテン・スイング 」
7曲目「ブルース・フォー・プレス、スウィーツ、ベン&オール・ジ・アザー・ファンキー・ワンズ
タイトルがシンプルな曲と長〜い曲が続きますがブルージーでエキサイティングな演奏です。
8曲目イージー・ダズ・イット
アルバムを締めくくる、静かなイントロから始まるミディアムスウィングの曲ですが、スティットが入って来ると、なんともゴキゲンなブルースナンバーに変身します。
ピーターソンのイントロ、アウトロでの高音域の音がブルーでクールです。
鋭いジャズリスナーならお気づきと思いますが、この曲ではスティットはテナーを吹いています。私はスティットのテナーが大好きです。
ザ・バッパー!という感じがして、軽やかで饒舌ながらちゃんとテナーの渋さを忘れていない、特別なバランス感覚が他のテナーマンにはない感じがいいですね。


9時さえ忘れて(CD追加曲)
10曲目アイ・リメンバー・ユー
11曲目アイ・ノウ・ザット・ユー・ノウ(CD追加曲)
は元々レコードには入りきらなかった曲を、アルバムをCD化する際に収録したものです。
これらの曲が聴けるのも、なんだかスゴく得した気分になれるアルバムですね。

私の大好きなアルバムの一つをご紹介させていただきました。
次回はハンク・モブレーのアルバムを紹介したいと思います。

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